無線LANアクセスポイントDAP-1665レビュー

自宅の無線LAN環境として第5世代AirMac Extreme(MD031J/A, 802.11n, 450Mbps)を使っていたのだけれども、802.11ac対応機器が増えてきたのでac環境にすべく、機器の選定を開始。

選定条件として以下の項目を設定した。

  1. 802.11acの866Mbps以上に対応
  2. ルータ機能を持たない単機能無線LANアクセスポイント
  3. 予算15000円
  4. 消費電力が少ないこと
  5. 安定していること

元の無線LAN環境が450Mbpsであることから速度866Mbps以上が必須。ルータは既にRTX1200先生が鎮座しているので、二重ルータは避けたい。無線LANルータをAPモードにするという手はあるがトラブルの原因になりそう、「simple is the best」「一つのことを、うまくやれ」というコダワリにより、単機能アクセスポイントにしたいという具合。また、消費電力の観点からも単機能APの方が望ましい。最近のUSBポートがついてて簡易NASとしても使えるような高機能APは意外と電力食いなのよね…。24時間年中無休で通電するものだからこそ、チリも積もれば山となるのだ。

ここで問題となるのが、製品候補の少なさ。

単機能APという時点で既に相当絞られるのだが、加えてac対応となると製品が殆どない!世知辛い世の中や…。参考までに、以下にAP製品リストをまとめた。なお、☆付きが検討時に入手可能だった機種である。

Table 1: 手に入りそうな802.11ac対応無線LANアクセスポイント(2016-05-12版)
メーカー 製品 速度 標準価格 備考1 備考2
D-Link DWL-8610AP 1300M 79800
DAP-2695 65800
DAP-2660 866M 39800
DAP-1665 15800
DAP-3662 98000 アウトドア用
Netgear EX6200 (実売)12000 主機能は中継器。APとしても利用可能。
EX6120 (実売)6600 主機能は中継器。APとしても利用可能。
有線LAN 100Mbps
EX6100 433M (実売)5600
I-O DATA WHG-AC1750A 1300M 31700
WHG-AC1750AL 19800
BUFFALO WAPM-1750D 79800
WAPM-1166D 866M 39800
YAMAHA WLX202 39800

当時購入可能だったものだと、アイ・オー・データのWHG-AC1750ALが1300Mbps対応で値段も安くてよさ気。コスパは2016年5月12日現在でも抜群である。しかし、あくまで個人的な感想で恐縮だが、安定性の面でアイオー(とバッファロー)は信用できないので落選。本品は安定性抜群なのかもしれないけど、……まぁ気持ちの問題っすね。

となると、選択肢はD-LinkのDAP-1665しか無くなる訳だ。全然情報ないけど、仮にもネットワーク機器専業メーカーなのでポンコツって事はないだろうし、むしろ人柱上等ってなもんで、DAP-1665に決定した次第。

2015年2月21日に注文。楽天で11426円(税込)のところ、ポイントを使って9000円ほどでお買い上げ。マイナーメーカーの取り寄せ品ということで納期2~3週間は覚悟していたが、3日程で発送された。

 DAP-1665製品箱

内容物は本体、アンテナ、ACアダプタ、LANケーブル、壁取付用フック、マニュアル、CD-ROMと至ってシンプル。

 DAP-1665内容物

工場のおばちゃんが手作りしたようなLANケーブルが素敵!

 DAP-1665付属LANケーブル

DAP-1665の内部ハードウェア構成は以下のようになっているらしい。

CPU RTL8197D
ROM 8MB
RAM 128MB
無線(5GHz) RTL8812AR
無線(2.4GHz) RTL8192CE
有線LAN RTL8211E

皆さんお待ちかねの速度計測の時間だよー。テスト環境は下図(部屋の上面図)の通り。

 DAP-1665とAirMac Extremeの速度計測環境

DAP-1665の実力を見るためMBPの真横(約20cm)に置いて802.11ac接続した場合、AirMac Extremeと設置場所を合わせたテレビ横(約5m)に置き802.11acと802.11nで接続した場合の2パターンで計測した。

計測方法は、netperfでクライアントのMacBook Pro (Late 2013)からサーバのFreeBSD 10.1-RELEASEへ接続する形とした。明らかに遅い測定値を除く各10回分の平均値をグラフ化したものが、下表である。尚、測定時に見えていたSSIDは14個程だった。

 DAP-1665とAirMac Extremeの速度比較

5GHz帯の比較で、802.11acのDAP-1665が約302Mbps, 802.11nのAirMac Extremeが約202Mbpsと、100MbpsほどDAP-1655が速かった。流石は802.11acといった所か。

一方、2.4GHz帯の802.11n同士の比較では、DAP-1665が76Mbps, AirMac Extremeが117Mbpsと、AirMacの圧勝だった。2.4GHz帯の理論値は前者が300Mbps, 後者が450Mbpsであり、無線LANルータの中でもAirMacは出来の良い部類だと個人的には思っているので、順当な結果かもしれない。尚、テスト中、AirMacの方は割と頻繁に100Mbpsを割る事があった点は留意したい。

DAP-1665の調整可能な外付けアンテナは、一見するとメリットのように思えるが、必ずしもそうとは言えない。というのも、アンテナの角度によって速度が数十Mbpsレベルで変化するのに、素人には最適な向きに調整する術がないからだ。これは本機に限らず外付けアンテナ式の無線LAN AP全てに共通の問題だと考えられ、調整ガイドやアプリを出しているメーカーもある。それら補助ツールを使ったところで調整が面倒なのと、本当に調整出来るかどうかの確証が得られない事に代わりはない。それならば、プロであるメーカーの考える最適な設計がなされているであろう、内蔵アンテナ式のAPの方が精神的にも良いのかもしれない。

消費電力は実測で約6W程度。

安定性は特に問題なし。購入以来、問題が生じてDAP-1665を再起動した事はない。といっても、メイン環境はほぼ有線運用のため、複数台のクライアントが常時無線通信する環境では違う結果となるかもしれない。

  • network/d-link_dap-1665_review.txt
  • 最終更新: 2016-05-29 16:44
  • by Decomo