====== FreeBSD 12とFolding@homeで新型コロナウイルス解析に参戦する ====== 流行りに乗じて新型コロナと絡めてみたけど、単にFreeBSD 12でFolding@homeを動かそうっていうお話。 以前にもやったことあったなぁ…とサイト内をあさってみたら、ちょうど14年前だった([[blog:2006:2006-03-27]])。VIA C3のマシンで運用してた記憶。当時はまだportsがなかったけど、記事書いたのが3月、portsが出来たのが8月のようで、振り返ってみるとちょっとの差だったんだなと中々に感慨深い。 しかしあれから14年か…。 ===== 試した環境 ===== * FreeBSD 12.1-RELEASE-p3 * linux_base-c7-7.7.1908_1 * linux-foldingathome-7.5.1.1_1 ===== インストール ===== Folding@homeはFreeBSD用バイナリが用意されていないものの、Linux向けのものがLinuxエミュレータ環境で動く。 portsから入れれば何も難しい事はないが、Linux関連のパッケージがガシガシ入るので、気になる人はjailなりbhyveなりに隔離環境を作ってください。 # portsnap biology/linux-foldingathome 専用ユーザーfahclientが追加されるんだけど、2020-03-29現在、ユーザーDBの更新が正しく行われず有効なユーザーとして認識されないので手動で更新する。''pw''コマンドでfahclientユーザーの情報が表示されればOK。 # pwd_mkdb -p /etc/master.passwd # pw usershow -n fahclient fahclient:*:246:246::0:0:Folding@home User:/nonexistent:/usr/sbin/nologin fahclientユーザーが使えない状態では、「su: unknown login: fahclient」と怒られてサービスとして起動できなかったりする。 ===== Linuxエミュレータの設定 ===== Linuxエミュレータ環境有効化。 # sysrc linux_enable="YES" ''/etc/fstab''に以下を追加。 linprocfs /compat/linux/proc linprocfs rw 0 0 linsysfs /compat/linux/sys linsysfs rw 0 0 tmpfs /compat/linux/dev/shm tmpfs rw,mode=1777 0 0 ここで再起動するか、自前でカーネルモジュールを読み込む&上記FS類をマウントする。 # reboot または # kldload linux64 # mount /compat/linux/proc # mount /compat/linux/sys # mount /compat/linux/dev/shm ===== Folding@homeクライアントの設定 ===== Folding@homeのデフォルトの作業ディレクトリは''/var/db/fahclient''となっており、ここに配置した解析プログラムを実行するようになっている。 ZFS環境の場合、通常''/var/db''以下はexecプロパティがoffでプログラム実行が許可されていない。よってexec=onでFSを作ってしまう。所有者の変更も忘れずに行う事。 もしFS作るのが嫌なら''/usr/local/etc/rc.d/fahclient''をいじって作業ディレクトリの場所を変更すべし。 # zfs create -o exec=on zroot/ROOT/var/db/fahclient # chown -R fahclient:fahclient fahclientの実行ログを見るかぎり、''/usr/local/etc/fahclient/''以下の所有者も変えた方が良さそう。 # chown -R fahclient:fahclient /usr/local/etc/fahclient/* 必要なら /usr/local/etc/fahclient/config.xml のユーザー名とチーム番号を書き換える。 Folding@homeのデーモン有効化 # sysrc fahclient_enable="YES" Folding@homeデーモンを起動 # service fahclient start ''service fahclient log''でズラズラとログが出たり、topでFAHClient/FahCore_xxあたりのプロセスが動いてれば解析が行われている。 ===== トラブルシューティング ===== ==== アプリケーション起動 ==== デーモンではなく単発アプリケーションとして起動したい場合は、以下のようにする。 # /usr/local/bin/FAHClient --config=/usr/local/etc/fahclient/config.xml ==== CPU割り当ての最適化 ==== Foldgin@homeはFolding slot単位でWUの割り当てを行うが、標準では1スロットに全CPUスレッドを割り当てる構成となっている。そしてスロットの処理能力に適したWUが割り当てられるっぽいが、多コアCPUの場合これが徒となり、WUが降ってこない原因ともなるようだ。 そんな時は、あえて4スレッド程度のスロットを複数個作った方が、効果的にWUの割り当てが行われるっぽい。 ... ===== 参考サイト ===== * [[https://foldingathome.org/|olding@home – Fighting disease with a world wide distributed super computer.]]