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10GbE/40GbE/100GbEメモ

40ギガビットイーサ、100ギガビットイーサに関するメモ。逸般的な誤家庭 一般的なご家庭での利用を想定してるので、コスパ重視な方法に偏っとります。調べならが書いてるので間違ってるかも。

10GbE以上ではSFPトランシーバを使った光配線のEthernet規格が選択肢に入ってくる。また、2019年1月現在、40GbE以上では銅線規格の製品が出回ってないため、光配線方式を使うしかない。

光配線方式では、コネクタとしてSFP(Small Form-factor Pluggable)を用いる製品が主流である。

SFPコネクタはSFP/SFP+/SFP28と区別される事がある。いずれも物理形状はSFPと同じだが、扱う信号速度によって呼び分けられる。SFP→1G, SFP+→10G, SFP28→28G (実効レート25Gbps)である。

SFPのデータレーンを4本にしたものがQSFP(Quad Small Form-factor Pluggable)である。QSFP/QSFP+/QSFP28の考え方はSFPと一緒で、QSFP→10G(2.5G×4レーン), QSFP+→40G(10G×4レーン), QSFP28→100G(実効25G×4レーン)となる。

SFPコネクタとQSFPコネクタの物理形状は異なるが、信号的には上位互換性があり、QSFP→SFPアダプタを使うことでQSFPコネクタにSFPトランシーバを差して使うことができる(当然逆は不可)。

SFP/QSFPを使ったシステムでは、信号を変換するSFPモジュールと適合するコードのセットで使うのが基本だが、モジュールとコードが一体化したケーブルもある。

DAC

Direct Attach Copper cable。SFPモジュール付き銅線。イメージとしては、SFPスロットの電気信号を延長して対向の機器に直接繋げる感じ。同じメーカーの適合機種を適合するケーブルで繋ぐ必要あり。ケーブル長は最大5~10m程度。

AOC

Active Optical Cable。SFPの光トランシーバと光ファイバーを一体化させたようなもの。DACの光ファイバー版。最大長はDACより長く取れる。

DAC/AOCともにスイッチ同士の接続で使われる事が多いが、適合さえしてればマシン間やNIC-スイッチ間の接続に使っても問題はない。

  • SMF(シングルモードファイバ)
    • 損失が少なく長距離伝送が可能。コア径が細い→ファイバーの末端での接続で精度が必要→高い!
  • MMF(マルチモードファイバ)
    • SMFより損失が大きく伝送距離が短い。コア径が太い→SMFほど精度が要らない→安い!

光ケーブルのカテゴリのこと。1000BASE-Tで言うところのCat.6, Cat.7みたいなやつ。OMがMMF、OSがSMFのカテゴリを表す。

カテゴリ 最大伝送距離(m)
100
BASE-FX
1000
BASE-SX
10G
BASE-SR
40G
BASE-SR4
100G
BASE-SR10
FDDI 2000 220 26 - -
OM1 275 33 - -
OM2 550 82 - -
OM3 300 100 100
OM4 1000 550 150 150
OM5 1000? 550? 150 150

40GBASE-SR4/100GBASE-SR4, 100GBASE-SR10で使われる光ケーブル。

MPO(Multiple-Fiber Push-On/Pull-off)が両端についており、複数の光ファイバをまとめてワンタッチで抜き差しできるようにしたもの。MTP(Multi-Fiber Termination Push-on)はUS Conec社の高性能MPOコネクタの商標。宅配便に対するヤマト運輸の宅急便みたいな感じ。

芯数は主に8, 12, 24。12芯は8芯として使えるが、24芯は不可(12芯の上下2段構成のため)。ちなみに、400GbEの場合、MMF利用の400GBASE-SR16では16芯×2段の32芯MPOを使い、SMF利用の400GBASE-DR4では8/12芯MPO(キーの位置がMMFのMPOと違うっぽい)を使うそうで。いやはや、ややこしい。

1芯あたり10Gbit/sの伝送が可能で、それを束ねることで40Gb以上の伝送を実現する。トランクケーブルとハーネスケーブルの2種類がある。

トランクケーブル

40GBASE-SR4同士を繋ぐケーブル。ふつーに使うのはこっち。

ハーネスケーブル

40GBASE-SR4インタフェースを10GBASE-SRとして使うためのケーブル。40GBASE-SR4の物理層は10Gb×4のリンクなので、それぞれを独立した10Gb NICとして使う事ができる(40GbEホスト側のハード/ソフトが対応してる必要あり)。

ピンアサイン

MPOコネクタのピンは、「キー」と呼ばれる突起を上としコネクタ正面から見た状態で、左から1番, 2番, 3番, … となる。

ピン 用途
40GBASE-SR4 100GBASE-SR10
1 Rx1 未使用
2 Rx2 Rx1/Tx1
3 Rx3 Rx2/Tx2
4 Rx4 Rx3/Tx3
5 未使用 Rx4/Tx4
6 Rx5/Tx5
7 Rx6/Tx6
8 Rx7/Tx7
9 Tx5 Rx8/Tx8
10 Tx6 Rx9/Tx9
11 Tx7 Rx10/Tx10
12 Tx8 未使用

コネクタの極性(オス/メス)

従来のコネクタ同様、MPOコネクタにもオス/メスがある。違いは信号ピン両側の金属製ガイドピンの有無だけのようだ。金属ピンがあるのがオス。オスとメスのコネクタ1対をMPOアダプタを介して繋ぐのが基本ルール。ガイドピン以外に違いはないので、メス/メスも一応繋がるらしい(もちろん非推奨。信号線破損の危険性あり)。

通常、機器側はオスなので、メス-メスのMPOケーブルが一般的。コネクタの極性とは別にケーブルの極性もあるので注意が必要。

ケーブルの極性(タイプA/ストレート/up-down/etc...)

ピンの結線方法により、タイプA, B, Cの3種類のケーブル極性がある。1000BASE-Tにおけるストレートケーブル、クロスケーブル的なやつ。

タイプA(ストレート)

コネクタを同じピン番号同士で結線したもの。受信ピン⇔受信ピン、送信ピン⇔送信ピンという接続。各ファイバーが交差しないように見た時、コネクタのキーは片側が上(up)、片側が下(down)となるため“up-down”とも呼ばれる。ケーブルの中継/延長などに使う。

タイプB(リバース)

コネクタの送信ピンと受信ピンが対になるように結線したもの。受信ピン⇔送信ピンという接続。各ファイバーが交差しないように見た時、両コネクタのキーが上となるため“up-up”とも呼ばれる。最も使うケーブルはこれ。

タイプC(ペアフリップド)

タイプAで2本1組を入れ替えて結線したもの。P1⇔P2/P2⇔P1, P3⇔P4/P4⇔P3, … という具合。

「各ファイバーが交差しないように見た時」というのは理屈上の話で、実際のファイバーの位置関係を表すものではないし、気にする必要もない。タイプAのケーブルも接続時にひねってしまえば“up-up”に見えてしまうので、配線の見た目からケーブル極性を判断するのは危険。必ずケーブルの印字を確認すべし。

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  • 最終更新: 2022-05-13 10:03
  • by Decomo