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2005年06月07日

 

他人のふんどし

 

1ヶ月ほど前の話になるのだが、ふとラジオを聞いていたら、面白い番組をやっていた。放送局も番組名も分からないのだが、内容は、企業や団体のキャッチコピーを公募し、応募作品の中から優秀作品を発表する、という形態の番組だった。

対象団体の中にJASRACがあったようで、3作品が優秀作品として紹介されていた。最初の2作品は、明らかにJASRCの「音楽文化/権利を守ります」という建前を鵜呑みにした作品で、「何も知らないって平和だなぁ」と思っていたのだが、3作品目は違った。

「商店街に行ったら、私が作詞した曲の海賊版が売られていた」と、作詞者が第三者にぼやく、一人劇の形で始まる。そして「え、曲名?」と話が展開し、「『他人のふんどし』」というオチで終わる。他者の権利で利益をあげるという「他人のふんどし」と、曲名をかけている訳ですな。お見事。

しかし、「他人のふんどし」が係っているのは、曲名だけではないでしょう。まさにキャッチコピーの標的でもある、JASRCにも係っていると思われてなりません。JASRACが行っている行為そのものが、まさに「他人のふんどし」なのです。このコピーの作者は、その辺の事情も理解した上で、このような暗にJASRACを揶揄っているコピーを作り上げたのではないだろうか。

前途したように、JASRACは表立っては「音楽作者の権利や音楽文化を守る」と言っているが、それならば、なぜiTunes Music Storeを初めとする、音楽のネット配信に消極的なのだろうか。権利権利と言うが、権利なんて売れてなんぼのものだろう。売れない曲に権利は必要ない、と言っているのではない。本当に作者の権利を守りたいのであれば、その権利を最大限活かせるような道を探していくのが、当然ではないだろうか。

しかし、JASRACはそれをしようとはしない。あくまでも権利を「守る」だけなのだ。その理由は至って簡単だ。本気で音楽作者のことを考え、音楽文化を発展させようとするならば、JASRACという団体の存在理由がなくなってしまうからである。

例えば、あるアーティストが、今まで3000円(内アーティストの取り分は1500円)で売っていたCDと同等の内容のものを、自らが1500円でネット配信したとしよう。何枚売れようが、この場合は当然アーティストの利益は変わらない。しかし、同等のものが半額で買えるのだから、消費者には多大なメリットとなる。また、3000円じゃ買わないけど1500円なら買ってもいいかな、という人は少なからず存在するだろうから、アーティストにとっても利益の向上が見込める筈だ。

3000円という枠で考えれば、従来ならばその内の1500円を1つのアーティストにしか払っていない格好だが、上記のような仕組みの配信であれば、1つのアーティストに3000円を払って2つの別々アルバムを手に入れる事が出来る。また、別々のアーティストに1500円ずつ払って、2つのアルバムを手に入れる事もできる。

音楽文化の発展という点から見ても、色々な人が色々な音楽に気軽に接することができるようになるので、より発展するだろう。現在の3000円というCDの値段は、とてもとても、気軽に買えるような値段ではない。

このように、JASRCが権利者のことを第一に考えるのであれば、積極的にネット配信に取り組むべきである。だが、それは同時にJASRACの介在が必要なくなることを意味する。従来ならば「曲の管理」ということで得られていた報酬が、なくなる為である。そのため、自らの利益を守る為に、JASRACはネット配信に消極的なのだ。

社団法人であるJASRACが、自らの利益を追求するというのも変な話である。社団法人は公益を目的とする公益社団法人と、営利を目的とする営利社団法人の両方を指すため、JASRACが営利社団法人に分類されるとしたら、営利を稼ぐ事はおかしな事ではない。だが、通常社団法人といえば公益社団法人を指し、JASRACの活動内容的にも公益社団法人に分類されると考えるのが妥当ではないだろうか。とすれば、JASRACは公益を追求する必要があるのに、それを怠っているということになる。

話は変わるが、先に述べたネット配信のモデルはあくまでも理想論でしかない。実現するにあたっては、何かしらの楽曲管理機構が必要だろうし、曲データのコピー対策も必要だろう。

とすれば、JASRACの存在いかんよりも(もちろん、JASRACのやり方は褒められたものではないが)、JASRACを頂点とする、現在の日本の音楽業界の仕組みに問題があると言えるのではないだろうか。管理団体がいくつかあり、権利者はその中から自分に合った団体に、管理を委任する。そうすれば、各団体の間には競争原理が働き、現状よりはまともな方向に進むのではないだろうか。

管理団体が複数になることで、曲の使用手続き等は煩雑にはなるだろう。だが、それを補ってなお余る利点が、(少なくとも消費者レベルには)あると思う。

とはいえ、光回線でWinn(ry をしている友達に「仮に1曲150円で、合法的かつ即座に簡単にネットで曲が買えるとしたら買う?それともWinn(ry で落とす?」と聞いてみたところ「レンタルした方がまだ安いじゃん」との回答。「そういうなら、ちゃんと借りようよ」と言ったら「(ネット代として)月7000円払ってますから」と。もしかしたら一般的な認識なんて、所詮この程度なのかもしれません……。

Decomo | 19:17

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